ハリガネムシとは?
はりがねむし
ハリガネムシとは、昆虫などの体内に寄生し、成熟すると宿主を水辺に誘導して水中に飛び込ませる、細長い線形動物です。
ハリガネムシは、線形動物門ハリガネムシ綱(Nematomorpha)に属する寄生動物で、成虫の体はその名のとおり針金のように細長く、体長は数センチから数十センチに達するものもいます。
幼虫はカマキリ・コオロギ・バッタなどの昆虫の体内に寄生し、宿主の栄養を吸収しながら成長します。宿主の消化管内に留まり、宿主自身は当初ほとんど影響を受けないように見えますが、ハリガネムシが成熟すると宿主の神経系に作用する物質を分泌し、宿主を水辺へ向かわせ水中へ飛び込む行動をとらせます。これは宿主操作(ホスト・マニピュレーション)の典型例として広く知られています。
水中に入ったハリガネムシは宿主の体を脱出し、水中で交尾・産卵を行います。卵から孵化した幼虫は水中で一時的に自由生活を送り、水生昆虫などの中間宿主に取り込まれ、その中間宿主が陸上昆虫に捕食されることで最終宿主へと渡ります。
ハリガネムシの宿主操作の仕組みは科学的に注目されており、宿主の脳内で光受容・神経伝達に関わる遺伝子の発現が操作されることが分かってきました。生態系においては、ハリガネムシに操られた昆虫が水中に落ちることで魚類への重要な餌供給源となり、陸域から水域への物質移動にも貢献していると考えられています。
使い方・例文
川辺でカマキリが突然水中に飛び込んだとき、体内からハリガネムシが出てきた、という観察例がよく報告されます。
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