トレーサリーとは?
とれーさりー
トレーサリーとは、ゴシック建築の窓や壁面に見られる石材による幾何学的・曲線的な装飾格子のことで、ステンドグラスを支える構造としても機能します。
トレーサリー(Tracery)は、主にゴシック建築において窓の上部や壁面を飾る、石材で作られた細やかな幾何学模様・葉形模様の装飾的な骨組みを指します。「石の透かし彫り」とも表現され、視覚的に複雑な美しさと構造的な機能を兼ね備えています。
トレーサリーの発展は12〜15世紀のゴシック建築の成熟とともに進みました。様式は大きく分けると次のように分類されます。
- プレートトレーサリー:初期の形式で、石板に孔をくり抜いた比較的単純なもの
- バートレーサリー(棒状トレーサリー):細い石の棒(バー)を組み合わせた繊細な形式で、より複雑な造形が可能
- フランボワイアン様式:後期ゴシックに見られる炎のような波形の曲線が特徴的な形式
機能面では、大きなステンドグラスをはめ込む際の構造的な支持体となり、色ガラスを美しく分割・配置するための枠組みとして機能します。フランスのシャルトル大聖堂・イギリスのウェストミンスター寺院・ドイツのケルン大聖堂など、著名なゴシック建築にその精緻なトレーサリーを見ることができます。日本では明治以降に建てられた一部の洋風教会建築にも取り入れられています。
使い方・例文
ゴシック様式の大聖堂の窓を外から見ると、ステンドグラスの周囲を囲む複雑な石の文様がトレーサリーで、光と影が生み出す美しい視覚効果が楽しめます。
この用語をシェア
最終更新: