トリパノソーマとは?
とりぱのそーま
トリパノソーマとは、鞭毛を持つ単細胞の寄生原虫の一属で、アフリカ睡眠病やシャーガス病などの重篤な感染症をヒトに引き起こすことで知られています。
トリパノソーマ(Trypanosoma属)は、キネトプラスト目トリパノソーマ科に属する単細胞の原虫(真核生物)です。一本の鞭毛と波動膜を持ち、血液・リンパ液・組織内で活動します。脊椎動物と吸血性の節足動物(ベクター)の間で生活環を回す性質があります。
ヒトに病気を引き起こす主な種は以下の二つです。
- Trypanosoma brucei(アフリカトリパノソーマ症・睡眠病):サハラ以南アフリカに分布するツェツェバエが媒介します。発熱・頭痛・リンパ節腫脹に始まり、中枢神経系への侵入により睡眠障害・意識障害・昏睡を起こし、未治療では死亡する危険があります
- Trypanosoma cruzi(シャーガス病):中南米に分布するサシガメ(吸血カメムシ)が媒介します。慢性期には心筋症・消化管拡張(メガ食道・メガコロン)を引き起こし、慢性的な心不全の原因ともなります
トリパノソーマは宿主の免疫を巧みにかわす抗原変換(VSG変換)という機構を持ち、表面の糖タンパク質(VSG)を次々と変化させることで免疫による排除を逃れます。このため有効なワクチンの開発が困難で、現在も新規治療薬の研究が続けられています。
いずれも熱帯・亜熱帯地域に偏在する顧みられない熱帯病(NTDs)の一つとして国際的な対策が求められています。
使い方・例文
アフリカの農村地帯でツェツェバエに刺された後に発熱と神経症状が現れた場合、トリパノソーマによるアフリカ睡眠病の検査が行われます。
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