鞭毛とは?
べんもう
鞭毛とは、細菌や原生生物・精子などに見られる細長い糸状の運動器官で、回転や波打ち運動によって細胞を推進させる役割をもちます。
鞭毛(べんもう、flagellum)は、細菌・古細菌・真核生物(原生生物・精子など)に広く見られる細胞運動のための器官です。ただし細菌の鞭毛と真核生物の鞭毛は構造・仕組みが根本的に異なります。
細菌の鞭毛はフラゲリンというタンパク質が螺旋状に重合した構造で、基部にあるモーター(回転子)が細胞膜のプロトン濃度勾配(電気化学的勾配)のエネルギーを利用して回転します。毎秒数百〜数千回転という高速回転で細菌を推進させます。鞭毛の数・位置・配置によって単毛菌・多毛菌・周毛菌などに分類されます。
真核生物の鞭毛・繊毛は、内部に9本の微小管対が2本の中央微小管を取り囲む「9+2構造」をもち、ダイニンモータータンパク質がATPを消費することで波打ち運動を起こします。精子の運動や気道上皮の繊毛運動などが代表例です。
鞭毛は生物学的に重要な意義をもちます。
- 細菌の走化性(化学物質勾配に沿った移動)を担う
- 病原性細菌の感染・拡散に関与する
- ワクチン・抗菌薬のターゲットとして注目される
- 生物の進化・共生の証拠(鞭毛の起源論争)
使い方・例文
腸管出血性大腸菌(O157)が消化管内を移動できるのは鞭毛による運動性のためであり、病原性との関連が研究されています。
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