走化性とは?
そうかせい
走化性とは、細胞や微生物が化学物質の濃度勾配に反応して移動する性質のことです。
走化性(そうかせい、chemotaxis)は、生物が特定の化学物質の濃度勾配を感知し、その濃度が高い方向(誘引物質の場合)または低い方向(忌避物質の場合)へ移動する現象です。単細胞生物から多細胞生物の細胞まで幅広く観察される、生命の基本的な応答機構の一つです。
最もよく研究されている走化性の例は大腸菌です。大腸菌はアミノ酸や糖などの栄養物質に向かって泳ぎ、有害な物質から遠ざかります。鞭毛の回転方向(反時計回り=直進、時計回り=方向転換)を化学受容体からのシグナルによって制御することで、濃度勾配に沿った移動を実現しています。
多細胞生物においても走化性は重要な役割を果たします。
- 免疫細胞(好中球やマクロファージ)が炎症部位へ遊走する
- がん細胞が血管や特定の組織に向かって転移する
- 精子が卵細胞へ引き寄せられる
- 神経細胞の軸索が正確な標的へ伸長する
走化性の研究は、感染症・免疫疾患・がん転移の理解と治療法開発に直結するため、現代医学において重要な研究領域となっています。化学物質に加え、電場に反応する「電気走性」、光に反応する「走光性」など類似の走性も多数知られています。
使い方・例文
「白血球が細菌の出す化学物質に引き寄せられて感染部位へ集まる現象は、走化性の典型例だ」というように、免疫学や細胞生物学の文脈で登場します。
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