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トマス・ベケットとは?

とますべけっと

トマス・ベケットは、12世紀イングランドのカンタベリー大司教で、国王ヘンリー2世と対立した末に大聖堂内で暗殺され、殉教者として列聖された人物です。

トマス・ベケット(Thomas Becket、1118年頃〜1170年)は、中世イングランドの聖職者・政治家です。ノルマン系の商人の家に生まれ、優れた行政能力でヘンリー2世の信任を得て、1155年にイングランドの最高行政官「大法官」に就任しました。国王の親友として政治的実務を担い、豪奢な生活を送りました。

転機は1162年のカンタベリー大司教への就任です。ベケットは大司教に就任すると、それまでの世俗的な生活を改め、教会の権益と独立を守ることを最優先する立場に転換しました。これがヘンリー2世との深刻な対立を生む原因となりました。

対立の核心は「聖職者の裁判権」の問題でした。ヘンリー2世は罪を犯した聖職者を世俗の裁判所で裁くことを求める「クラレンドン憲章(1164年)」を制定しましたが、ベケットはこれを教会の権威への侵害として断固拒否しました。ベケットは一時フランスへ亡命しますが、後に帰国しました。

1170年12月、ヘンリー2世の言葉(「この厄介な聖職者を誰か取り除かないのか」)に動かされた騎士4人がカンタベリー大聖堂の祭壇前でベケットを殺害しました。この衝撃的な事件はキリスト教世界に大きな波紋を呼び、ベケットは1173年に列聖されました。カンタベリーは重要な巡礼地となり、チョーサーの「カンタベリー物語」にもその背景が描かれています。

使い方・例文

トマス・ベケットの名は、中世ヨーロッパの教会と国家の権力闘争を学ぶ歴史の授業や、カンタベリー大聖堂を訪れる際に必ず登場します。

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