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テールヴェルトとは?

てーるゔぇると

テールヴェルトとは、中世からルネサンス期にかけて下塗りや人物の肌の陰影表現に多用された、グレーがかった緑色の天然土系顔料です。

テールヴェルト(Terre verte)は、フランス語で「緑の土」を意味する天然土系の顔料です。鉱物のグロコナイトやセラドナイトを主成分とし、採掘地によって組成や色調が異なりますが、全般的に彩度が低いグレーがかった緑色を示します。日本語では「緑土」と訳されることもあります。

テールヴェルトが特に重要な役割を果たしたのは、中世ビザンツ絵画からルネサンス期にかけてのヨーロッパ絵画においてです。当時の画家たちは、テンペラ画で人物の顔や手などの肌の部分に、まずテールヴェルトで下塗り(アンダーペインティング)を施しました。その上に肌色を重ねると、緑の下地が透けて皮膚の陰影や微妙な血色感をリアルに再現できたためです。

この技法が有効な理由としては以下の点が挙げられます。

  • 緑と赤(肌色)は補色関係にあり、重ねることで自然な陰影が生まれる
  • 彩度が低いため、上塗りの色を邪魔しない
  • 乾燥が早く、下塗り材として扱いやすい

現代でも水彩・油彩・アクリル絵具の顔料色として販売されており、落ち着いた緑として風景画や古典的手法の絵画に用いられています。耐光性は比較的良好で、美術品の修復・模写にも活用される顔料です。

使い方・例文

ルネサンスのイコン(聖画像)では、聖人の顔の肌をリアルに描くために、テールヴェルトで下地を塗ってから肌色を重ねる手順が定番とされていました。

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