ゼロ点エネルギーとは?
ぜろてんえねるぎー
ゼロ点エネルギーとは、絶対零度においても量子力学的効果により物質が保有し続ける最小限のエネルギーのことです。
ゼロ点エネルギー(zero-point energy)とは、量子力学において、系が取りうる最低エネルギー状態(基底状態)でも消えることなく残るエネルギーのことです。古典力学では温度を絶対零度まで下げれば粒子の運動は完全に停止すると考えられますが、量子力学の不確定性原理はそれを禁じます。位置と運動量を同時に確定できないため、粒子は必ず最小限の振動を続けるのです。
最もわかりやすい例が量子調和振動子のモデルです。振動数νの振動子のエネルギーは hν/2(hはプランク定数)が最小値となり、これがゼロ点エネルギーに相当します。真空中の電磁場にも同様にゼロ点エネルギーが存在し、「真空のゆらぎ」として観測されます。
ゼロ点エネルギーの存在を裏付ける具体的な現象として以下が知られています。
- カシミール効果:二枚の金属板を近づけると真空のゆらぎにより引力が生じる現象
- ヘリウムの液体状態維持:絶対零度付近でも固体化しにくい性質はゼロ点エネルギーによる量子効果で説明される
- ランダウダイヤモンド構造:固体結晶の格子振動(零点振動)として観測される
なお、一部の疑似科学的主張では「ゼロ点エネルギーを取り出してエネルギー問題を解決できる」とされますが、熱力学の法則上、外部への有用な仕事として取り出すことは現時点では不可能とされています。量子場理論・宇宙論における真空エネルギー問題とも深く関係する、現代物理学の重要な概念です。
使い方・例文
液体ヘリウムが絶対零度に近い温度でも固体にならず流動性を保つのは、ゼロ点エネルギーによる量子的な零点振動が原子を束縛から解き放つためと説明されます。
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