ケネス・アローとは?
けねす・あろー
ケネス・アローとは、「不可能性定理」で民主主義的な投票制度の本質的限界を証明し、経済学に革命をもたらしたアメリカの経済学者です。
ケネス・ジョセフ・アロー(Kenneth Joseph Arrow、1921〜2017年)は、アメリカ・ニューヨーク生まれの経済学者です。1972年にノーベル経済学賞を受賞し(ジョン・ヒックスと共同)、20世紀を代表する経済学者のひとりに数えられます。
最大の業績は1951年に発表した「アローの不可能性定理」(一般可能性定理)です。この定理は、個人の合理的な選好を社会全体の合理的な選好に集計する際、次の条件をすべて同時に満たす投票ルールは独裁以外には存在しないことを数学的に証明したものです。
- パレート原理(全員が好む選択肢は社会も好む)
- 無関係な選択肢からの独立性(第三の選択肢が順位を変えない)
- 推移性(選好の一貫性)
- 非独裁性(一人の意見が決定しない)
この定理は政治哲学・社会選択理論・投票システム設計に深遠な影響を与え、「完全に公平な民主的意思決定は原理的に不可能」という問題提起として今も議論され続けています。
アローはさらに一般均衡理論の数学的定式化、情報の非対称性と市場の失敗に関する研究など、現代経済学の理論的基礎を多方面から固めた功績でも高く評価されています。
使い方・例文
「アローの不可能性定理によれば、すべての人が納得できる完全に公平な選挙制度を作ることは論理的に不可能だとされている」というように、選挙制度論や社会選択の限界を説明する際に引用されます。
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