クロロホルムとは?
くろろほるむ
クロロホルムとは、炭素・水素・塩素からなる揮発性の有機溶媒で、かつて麻酔薬として使われ、現在は化学合成や分析の溶媒として実験室で広く用いられます。
クロロホルム(CHCl₃、トリクロロメタンとも呼ぶ)は、メタンの三つの水素が塩素に置換された有機ハロゲン化合物です。無色透明の揮発性液体で、甘くエーテル様の匂いがあり、水には溶けにくく油脂や多くの有機溶媒とよく混ざります。
歴史的には19世紀半ばから外科手術の全身麻酔薬として使われていました。しかし肝毒性・心臓毒性が明らかになり、より安全な麻酔薬が開発されてからは医療用途から退いています。一方で化学・生物学の実験室では今も重要な役割を担っています。
現代における主な用途は以下のとおりです。
- 核磁気共鳴(NMR)分光法の溶媒(重クロロホルム CDCl₃)
- タンパク質・DNA抽出のフェノール-クロロホルム法
- 有機合成の反応溶媒および抽出溶媒
- フロン類(冷媒)の合成原料
クロロホルムは光と空気にさらされるとホスゲン(猛毒ガス)に変わる危険性があるため、褐色ビンに保存し、少量のエタノールを安定剤として加える処置が取られます。国際的には発がん性物質にも分類されており、適切な換気と保護具のもとで扱うことが求められる物質です。
使い方・例文
有機化学の実験室でNMRスペクトルを測定する際、試料を溶かす溶媒として重クロロホルム(CDCl₃)が最も頻繁に使われるほか、分子生物学ではDNA抽出のフェノール-クロロホルム法に欠かせません。
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