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エンタシスとは?

えんたしす

エンタシスとは、古代ギリシャ建築に見られる石柱の中央部をわずかに膨らませる技法で、視覚的な歪みを補正し柱を美しく見せるための工夫です。

エンタシス(Entasis)は、古代ギリシャ建築において、円柱の側面を単純な直線や内曲線にするのではなく、柱の中ほど(おおむね下から3分の1付近)をごくわずかに膨らませる造形技法です。この膨らみは非常に微妙で、一本の柱全体の直径の数パーセント程度にすぎませんが、見た目の印象を大きく左右します。

エンタシスが施される主な理由は視覚的補正です。もし柱が完全な直線であれば、人間の目には中央部がくびれて見えてしまいます(錯視の一種)。この錯覚を打ち消し、柱が均整のとれた力強い印象を与えるために、意図的にわずかな膨らみが計算されました。ギリシャ人が高度な視覚補正技術を建築に応用していたことを示す例の一つです。

エンタシスはギリシャの主要な建築様式すべて——ドーリア式・イオニア式・コリント式——に確認されており、アテネのパルテノン神殿などの名建築にも用いられています。ローマ建築へも受け継がれ、ルネサンス以降の西洋建築にも影響を与え続けました。

注目すべき点として、日本の建築にもエンタシスに類似した技法が存在します。奈良の法隆寺の柱がわずかに膨らんでいることが知られており、シルクロードを通じたギリシャ建築の影響が指摘されることもありますが、これについては独立した発展という説も有力です。

使い方・例文

パルテノン神殿の柱のエンタシスは、建築見学の際に近づいてよく見ると確認できます。また法隆寺の太い柱のふくらみも同様の効果を持ち、「エンタシス」という語は日本の建築史の文脈でも使われています。

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