エマニュエル・レヴィナスとは?
えまにゅえるれびなす
エマニュエル・レヴィナスとは、20世紀を代表するフランスの哲学者で、「他者」の倫理を中心に据えた独創的な思想で知られる思想家です。
エマニュエル・レヴィナス(Emmanuel Levinas)は、1906年にリトアニアのカウナスに生まれ、1995年にパリで没したフランスの哲学者です。ユダヤ人の家庭に育ち、フッサールやハイデガーの現象学を学んだのち、独自の他者論・倫理的形而上学を構築しました。
レヴィナス哲学の中心概念は「他者(autrui)」です。西洋哲学の伝統が「存在」や「自我」を出発点としてきたことを批判し、他者の「顔(visage)」との出会いこそが倫理の根本であると主張しました。他者の顔は私に語りかけ、「汝、殺すなかれ」という根本的な倫理的命令を発する、というのがレヴィナスの核心的な洞察です。
主著には次のものがあります。
- 『全体性と無限』(1961年):他者との関係を「無限」として捉え、存在論に還元されない倫理的次元を論じた主著
- 『存在するとは別の仕方で』(1974年):「存在のかなた」に向かう責任と代替不可能性を論じた後期代表作
レヴィナスの思想は、ハイデガー哲学との対決から生まれた部分も大きく、ナチズムへの加担という歴史的事実に対する応答という側面も持っています。また、ユダヤ教の聖典研究(タルムード解釈)も並行して行い、哲学とユダヤ思想の両面から他者との関係を探求しました。現代の倫理学・政治哲学・宗教哲学に広く影響を与えています。
使い方・例文
現代哲学の講義や倫理学の研究で、他者との関係や責任の問題を論じる際にレヴィナスの「顔」という概念が参照されます。
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