アブ・シンベル神殿とは?
あぶしんべるしんでん
アブ・シンベル神殿とは、古代エジプトのラムセス2世が建造した大岩窟神殿で、現在はユネスコ世界遺産としてエジプト南部のナイル川沿いに保存されています。
アブ・シンベル神殿(Abu Simbel Temples)は、古代エジプト第19王朝のファラオ・ラムセス2世(在位:紀元前13世紀頃)が現在のスーダン国境近くのナイル川西岸に建造した大規模な岩窟神殿群です。太陽神ラーを主神とする「大神殿」とラムセス2世の王妃ネフェルタリに捧げた「小神殿」の2つから構成されます。
大神殿の正面には高さ約20メートルのラムセス2世の巨像が4体並んでおり、古代エジプト建築の中でも最も印象的な外観を持つ神殿のひとつです。神殿内部は岩を掘り抜いた構造で、春分・秋分の前後に太陽光が60メートル以上奥まで差し込み、最奥の神像を照らすよう精密に設計されています。この天文学的な設計は、古代エジプト人の高度な技術力を示すものです。
アブ・シンベル神殿が世界的に注目されたもう一つの理由は、20世紀の大規模移設工事にあります。
- 1960年代のアスワン・ハイダム建設によりナイル川が堰き止められ、水没の危機が生じた
- ユネスコが国際的な救済キャンペーンを実施し、1964〜68年にかけて神殿全体を約60メートル上方に移設
- この保全活動が世界遺産制度の誕生(1972年の世界遺産条約)に大きく貢献した
現在は「ヌビアの遺跡群」としてユネスコ世界文化遺産に登録されており、エジプト有数の観光地として毎年多くの来訪者を集めています。
使い方・例文
アブ・シンベル神殿は年に2回(2月22日と10月22日前後)、太陽光が神殿奥まで差し込む「太陽の祭り」が起き、その幻想的な光景を見ようと世界中から観光客が集まります。
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