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アクアティントとは?

あくあてぃんと

アクアティントとは、銅版画の一技法で、松脂の粉をまぶした版を酸で腐食させることで、水彩画のような繊細なトーンやグラデーションを表現できる凹版印刷の手法です。

アクアティント(Aquatint)はエッチングの一種で、18世紀に確立された銅版画の技法です。名称はラテン語の「aqua(水)」と「tintus(染めた)」に由来し、その仕上がりが水彩画(aquarelle)に似た柔らかな調子を持つことからこの名がつきました。

制作工程の概要は次のとおりです。まず銅版の表面に松脂(ロジン)の細かい粒子を均一にまぶし、熱で版に定着させます。次に硝酸などの腐食液に版を浸すと、松脂の粒子の隙間から酸が作用し、版の表面に無数の微細な点状の凹みが形成されます。このとき松脂の密度や腐食時間によって明暗の段階を制御することができ、段階的に保護用のニスを塗り重ねてトーンの濃淡を作り出します。インクを凹みに詰め、紙に転写すると、ざらついた面がグラデーションや柔らかな濃淡として表現されます。

アクアティントは線描が主体の通常のエッチングと異なり、面として色調や濃淡を表現できる点が最大の特徴です。しかし版の耐久性が低く、多数印刷すると効果が落ちるという弱点もあります。

スペインの画家フランシスコ・デ・ゴヤはアクアティントの名手として知られ、連作版画集『ロス・カプリチョス』や『戦争の惨禍』でこの技法を巧みに活用しました。現在でも版画家たちによって制作に用いられています。

使い方・例文

版画の授業や展覧会の解説で「ゴヤのアクアティント版画」のように言及されるほか、版画制作の技法を説明する文脈でエッチングやドライポイントとともに紹介されます。

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