VREとは?
ぶいあーるいー
VREとは、バンコマイシンに対して耐性を獲得した腸球菌のことで、院内感染の原因として世界的に問題視される多剤耐性菌です。
VRE(Vancomycin-Resistant Enterococci)とは、グリコペプチド系抗菌薬であるバンコマイシンに耐性を示す腸球菌の総称です。腸球菌(エンテロコッカス属)はもともと腸内の常在菌ですが、医療環境に持ち込まれると院内感染の重要な原因菌となります。
バンコマイシンは、ペニシリンやセフェム系抗菌薬が効かないグラム陽性菌感染症に対する切り札的な薬剤です。VREはvanA・vanBなどの耐性遺伝子をプラスミドで獲得しており、この遺伝子が細胞壁合成に関わるペプチドグリカンの前駆体を変化させることで、バンコマイシンが結合できなくなります。
VREが問題となる主な理由は次のとおりです。
- バンコマイシンを含む多くの抗菌薬が無効なため、治療選択肢が極めて限られる
- 耐性遺伝子が他の細菌(黄色ブドウ球菌など)に伝播するリスクがある
- 消化管・皮膚などに無症状で定着し、長期間感染源となりうる
- 血流感染・尿路感染・腹膜炎などを起こすと予後が悪い
予防には接触予防策(手袋・ガウンの着用)や個室隔離、環境消毒が基本です。治療にはリネゾリドやダプトマイシンなどが使用されます。抗菌薬の適正使用がVRE拡大を防ぐうえで最も重要な対策とされています。
使い方・例文
長期入院や免疫抑制療法を受けている患者では、VRE保菌のスクリーニング(直腸スワブ培養)が定期的に行われ、陽性者は隔離管理の対象となります。
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