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SAM(S-アデノシルメチオニン)とは?

えすあでのしるめちおにん

SAM(S-アデノシルメチオニン)とは、体内でメチル基を提供する主要なドナー分子で、DNAやタンパク質の修飾・神経伝達物質の合成など多くの代謝反応に不可欠な補因子です。

SAM(S-アデノシルメチオニン、S-Adenosyl methionine)は、必須アミノ酸のメチオニンとATP(アデノシンリン酸)から生合成される補因子(コファクター)です。細胞内で「メチル基(-CH₃)の普遍的なドナー」として機能し、あらゆる生物において100種類を超えるメチル基転移反応(メチルトランスフェラーゼ反応)に関与します。

SAMが関与する主な生体反応には以下のものがあります。

  • DNAのメチル化:遺伝子発現の制御(エピジェネティクス)に関与し、がんや発達に関連する
  • タンパク質のメチル化:ヒストン修飾を通じてクロマチン構造を変化させ、遺伝子の「オン・オフ」を調整する
  • 神経伝達物質の合成:アドレナリン・セロトニンの代謝経路でメチル基を供与する
  • クレアチンの合成:筋肉のエネルギー代謝に必要なクレアチンを生成する
  • ポリアミン合成:細胞増殖に関与するスペルミン・スペルミジンの原料となる

SAMはメチル基を提供した後、S-アデノシルホモシステイン(SAH)に変換され、さらに代謝されてホモシステインになります。ホモシステインは葉酸・ビタミンB12の働きでメチオニンに再変換(メチオニンサイクル)され、SAMの供給が維持されます。葉酸やビタミンB12が不足するとこのサイクルが滞り、SAM産生の低下や有害なホモシステインの蓄積が生じます。

SAMはうつ病・関節炎・肝疾患の補完療法として研究されており、栄養補助食品としても販売されています。ただしその有効性と安全性については継続的な研究が必要とされています。

使い方・例文

SAMは医学・生化学の文脈でエピジェネティクスや一炭素代謝を説明する際に頻繁に登場します。葉酸やビタミンB12との関係から、栄養学の教科書でもメチオニンサイクルの中心分子として紹介されます。

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