道徳的感情とは?
どうとくてきかんじょう
道徳的感情とは、他者の行為や自分の行動に対して自然に湧き上がる共感・同情・罪悪感・義憤などの感情で、道徳的判断の基盤となるものです。
道徳的感情とは、他者の行為や状況に接したときに自然に生じる感情的反応のうち、倫理的な評価や行動の動機と深く結びついているものを指します。共感・同情・罪悪感・羞恥心・義憤・感謝・尊敬などがその代表例です。
道徳的感情を哲学的に体系化したのは、スコットランド啓蒙の思想家アダム・スミスです。スミスは『道徳感情論』(1759年)の中で、人間には他者の立場に立って感情を共有する「共感(シンパシー)」の能力が生まれながらに備わっており、それが道徳的判断の源泉であると論じました。また、心の中の「公平な傍観者」が自分の行為を評価するとして、良心の機能を説明しました。
心理学・神経科学の観点からは、道徳的感情は進化の過程で社会的協力を促進するために発達したと考えられています。道徳的感情の主な種類は次のとおりです。
- 自己意識的感情:罪悪感・羞恥心・誇りなど自分の行為への評価に関わるもの
- 他者志向的感情:同情・義憤・感謝など他者の状況や行為への反応
- 集団関連感情:集団の名誉を傷つけられた際の恥、仲間への忠誠感など
現代の道徳心理学では、ジョナサン・ハイトが「道徳的直観が先にあり、理性的な説明は後付けである」という社会的直観主義モデルを提唱し、道徳的感情の役割を再評価しています。
使い方・例文
誰かが困っているのを見て助けたいと感じる気持ち、不正を見聞きして怒りを覚える義憤、自分のミスに対する罪悪感などが日常的な道徳的感情の例です。
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