進行性核上性麻痺とは?
しんこうせいかくじょうせいまひ
進行性核上性麻痺とは、脳内の特定神経細胞が徐々に失われることで眼球運動障害・転倒・認知機能低下などを引き起こす神経変性疾患です。
進行性核上性麻痺(しんこうせいかくじょうせいまひ、Progressive Supranuclear Palsy:PSP)は、脳の深部(脳幹・大脳基底核・小脳など)の神経細胞が進行性に変性・消失する神経変性疾患です。タウタンパク質の蓄積が病態に関与することから、タウオパチーの一種にも分類されます。
最大の特徴は核上性眼球運動障害で、特に上下方向の視線を随意的に動かせなくなる垂直方向の眼球運動麻痺が現れます。「核上性」とは、眼球を動かす神経核よりも上位のレベルで障害が起きることを意味します。その他の主な症状は以下のとおりです。
- 体幹・頸部の後弓反張(体が後ろに傾く姿勢異常)と転倒
- 仮性球麻痺による嚥下困難・構音障害
- 無動・筋強剛(パーキンソン症状)
- 前頭葉型の認知機能低下・無気力・脱抑制
発症年齢は多くの場合60歳以上で、男性にやや多い傾向があります。国内では難病(指定難病)に指定されており、有病者は比較的少ないですが、パーキンソン病との鑑別が重要な疾患です。根治療法は現時点では確立されておらず、リハビリテーションや対症療法が中心となります。診断後の平均余命は発症から概ね数年〜10年程度とされています。
使い方・例文
神経内科の外来では、転倒を繰り返す高齢者が「パーキンソン病かもしれない」と受診した際に、眼球を上下に動かしにくいという症状が確認されると進行性核上性麻痺が疑われ、詳しい神経学的検査が行われます。
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