送粉共生とは?
そうふんきょうせい
送粉共生とは、植物が花粉を運ぶ動物(送粉者)に報酬を提供し、送粉者がその見返りに花粉を花から花へと運ぶ相互利益の共生関係のことです。
送粉共生(pollination mutualism)は、植物と送粉者(ポリネーター)の間で成立する相利共生の一形態です。植物は花粉の運搬を動物に依存することで受粉・結実を達成し、送粉者は花が提供する蜜・花粉・油・樹脂などの報酬を得ます。双方が利益を得るため「相利共生」に分類されます。
主な送粉者には次のグループがあります。
- ハチ類:最も重要なグループ。ミツバチ・マルハナバチ・在来ハナバチなど
- チョウ・ガ類:長い口吻をもち筒状の花を利用する
- ハエ類:腐肉臭を模倣する花(ショクダイオオコンニャクなど)も送粉する
- 鳥類:ハチドリ(新大陸)・メジロ・ハチクイなどが蜜食性鳥類として機能する
- コウモリ:夜間に開花する花(バナナ・サボテン類など)を送粉する
植物と送粉者の間には長い共進化の歴史があり、花の形・色・香り・開花時間は特定の送粉者との適合に最適化されています。細い管状の花はチョウ向け、紫外線反射模様はハチ向けなど、「送粉シンドローム」と呼ばれる対応関係が知られています。
農業生産の約3分の1が送粉者に依存すると試算されており、ミツバチの減少(蜂群崩壊症候群)や在来ハナバチの減少は食料安全保障と生態系機能の両面で深刻な問題として注目されています。
使い方・例文
リンゴやイチゴの栽培ではミツバチによる送粉が不可欠で、農家はミツバチの巣箱を果樹園に置いて受粉を促しています。ミツバチは花粉と蜜を得る一方、農作物は結実できるという送粉共生の実例です。
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