軍拡競争とは?
ぐんかくきょうそう
捕食者と被食者、あるいは寄生者と宿主が互いに対抗形質を進化させ合う共進化の過程です。
軍拡競争(arms race)は、生物学では敵対的な関係にある2種以上の生物が、互いの防御・攻撃形質に対応する反形質を進化させ合い、両者がエスカレートしていく共進化のパターンを指します。人間社会の軍備競争になぞらえた比喩的表現です。
代表的な例として、捕食者と被食者の関係があります。チーターの走力が上がれば獲物のガゼルも走力が上がり、さらにチーターが俊敏になるという応酬が世代をかけて繰り返されます。また、毒を持つ植物と解毒能力を進化させる昆虫の関係も古典的な事例です。
寄生者と宿主の間でも軍拡競争が顕著に見られます。ウイルスは宿主の免疫機構をかわす仕組みを発達させ、宿主側は新たな免疫応答で対抗します。これを「赤の女王仮説」と呼ぶこともあり、「同じ場所にとどまるには全力で走り続けなければならない」という状況を表します。
軍拡競争は必ずしも一方が「勝つ」わけではなく、両者がコストをかけながら拮抗状態を維持することも多いです。農業における農薬と耐性害虫、医療における抗生物質と耐性菌など、実用的な文脈でも同じダイナミクスが問題となっています。
使い方・例文
農薬を繰り返し使用すると、耐性を持つ害虫が選択的に生き残り増殖する「農薬と耐性虫の軍拡競争」が引き起こされます。
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