認知的再評価とは?
にんちてきさいひょうか
認知的再評価とは、感情を引き起こす状況の意味を意識的に捉え直すことで、感情の強度や質を調整する心理的方略のことです。
認知的再評価(cognitive reappraisal)とは、ストレスや怒り・不安などの感情を生み出す出来事や状況について、その意味づけや解釈を意図的に変えることで、生じる感情そのものを調整しようとする感情制御の方略です。
感情は外部の出来事そのものではなく、その出来事をどう解釈するかによって大きく左右されます。認知的再評価はこの性質を活用し、同じ状況でも「別の見方をする」ことで感情的な影響を和らげたり、場合によっては強めたりします。例えば、仕事で厳しいフィードバックを受けたとき、「自分は否定された」と捉えるのではなく「成長のヒントをもらった」と解釈し直すのが典型的な例です。
認知行動療法(CBT)の中核概念のひとつであり、ジェームズ・グロスらの感情制御研究で特に注目されました。研究によれば、もうひとつの主要な感情制御方略である表情抑制(感情を表に出さないようにする)と比較して、認知的再評価は主観的な不快感の軽減・記憶への影響・社会的関係への副作用の点で優れているとされています。
日常的に活用できる再評価の例としては以下のようなものがあります。
- プレゼン前の緊張を「興奮」として前向きに解釈する
- 失敗を「学びの機会」として意味づけ直す
- 他者の言動を「悪意」ではなく「状況によるもの」と解釈する
心理的レジリエンスを高め、メンタルヘルスの維持に寄与することから、カウンセリングや職場のストレスマネジメント研修でも広く応用されています。
使い方・例文
試験に落ちたとき、「自分はダメだ」と落ち込む代わりに「どこが弱点かわかった、次に活かせる」と捉え直すのが認知的再評価の典型的な使い方です。
この用語をシェア
最終更新: