莢膜とは?
きょうまく
莢膜とは、一部の細菌が細胞壁の外側に形成する粘性の高い多糖類などからなる層で、感染力や病原性に関わる重要な構造です。
莢膜(きょうまく、capsule)は、一部の細菌がその細胞壁の外側に分泌する、多糖類やタンパク質などからなるゲル状の被覆層です。光学顕微鏡で特殊染色をすると細胞の周囲に透明な「さや(莢)」のように見えることからこの名前がつけられました。
莢膜の主な機能は以下のとおりです。
- 免疫回避:宿主のマクロファージや好中球による貪食(食菌)を阻害し、補体系の攻撃を防ぐ。
- 乾燥耐性:水分を保持することで、乾燥環境での生存力を高める。
- 付着力の向上:宿主細胞や医療器具などの表面に付着するバイオフィルム形成を助ける。
- 抗生物質・消毒薬への抵抗性:外部からの化学物質の侵入を物理的に阻む。
莢膜を持つ代表的な病原菌には、肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、クレブシエラ菌(Klebsiella pneumoniae)などがあります。いずれも侵襲性感染症の重要な原因菌です。
莢膜多糖は強力な抗原となるため、莢膜成分を用いたワクチン(肺炎球菌ワクチンなど)が開発されています。莢膜の有無は細菌の病原性と密接に関連しており、感染症研究において重要な研究対象です。
使い方・例文
肺炎球菌が持つ莢膜は宿主の免疫細胞による貪食を妨げるため、莢膜を持つ株ほど病原性が高く、肺炎球菌ワクチンは莢膜の多糖成分を利用して作られています。
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