腸チフス菌とは?
ちょうちふすきん
チフス性疾患を引き起こすグラム陰性桿菌で、汚染された飲食物を通じて全身に感染が広がります。
腸チフス菌(Salmonella enterica serovar Typhi、Salmonella Typhi)は、腸内細菌科サルモネラ属に属するグラム陰性の桿菌です。ヒトのみを宿主とする菌で、腸チフスという全身性の熱性疾患の原因となります。
感染経路は糞口経路が主で、腸チフス菌に汚染された水や食物の摂取によって起こります。摂取された菌は小腸粘膜から侵入し、マクロファージなどの免疫細胞内で生存・増殖しながら、リンパ流・血流を介して肝臓・脾臓・骨髄・胆嚢などの臓器に広がります。この全身播種が腸チフスの特徴的な病態です。
典型的な症状は段階的に進行します。発症後1〜2週は持続的な高熱(稽留熱)・頭痛・全身倦怠感が続き、3〜4週目になると体幹に「バラ疹」と呼ばれる淡紅色の皮疹が現れることがあります。腸穿孔や消化管出血を合併すると重篤化します。
診断は血液培養・骨髄培養・便培養などで行われます。治療にはフルオロキノロン系やセフトリアキソンなどの抗菌薬が使われますが、薬剤耐性株の増加が問題となっています。ワクチン接種と衛生環境の整備が予防の柱です。
使い方・例文
発展途上国への渡航前の予防接種案内や、感染症法に基づく届出疾患の説明に登場します。学校の理科・保健の授業でも水系感染症の例として紹介されます。
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