破墨とは?
はぼく
破墨とは、水墨画において濃淡の異なる墨を重ね合わせ、にじみや深みのある表現を生み出す技法のことです。
破墨(はぼく)とは、水墨画において、薄い墨の上に濃い墨を、あるいは濃い墨の上に薄い墨を重ねて塗り重ねることで、墨がにじみ合い独特の濃淡と奥行きを生み出す技法です。「墨を破る」という名称は、先に置いた墨の境界を後から加える墨がにじんで壊していく様子に由来します。
破墨は中国の唐・宋代に発展し、日本には禅宗の伝来とともに伝わりました。室町時代の画僧・雪舟は破墨の技法を高い水準に昇華させ、「破墨山水図」などの名作を残しています。雪舟のこの作品は国宝に指定されており、破墨技法の傑作として美術史上に輝いています。
破墨の技法的な核心は、墨と水の量、紙の湿り具合、筆の速度の組み合わせにあります。これらの微妙な加減によって意図した表現を生み出すこともあれば、偶発的な「にじみ」や「かすれ」が作品に生命感をもたらすこともあります。主な方法として次のものがあります。
- 薄墨を先に引き、乾かないうちに濃墨を重ねる方法
- 濃墨の上から薄墨を重ねる逆の手順
- 湿潤な紙に筆を走らせてにじみを最大限に活かす方法
破墨は山水画(風景画)で特に多用され、山のかすみや水面の揺らぎ、霧のたちこめる情景を表現するのに適しています。単純な線描では出せない「気」や「雰囲気」を墨の濃淡で描き出すこの技法は、東洋絵画の根幹をなす表現手段として高く評価されています。
使い方・例文
雪舟の「破墨山水図」は、薄い墨と濃い墨を巧みに重ね合わせることで山水の奥行きと静けさを表現した、破墨技法の代表的な名作として知られています。
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