砥の粉下地とは?
とのこしたじ
砥の粉下地とは、漆工芸や木工塗装において砥の粉を接着剤と混ぜて素地に塗り重ね、平滑で丈夫な下地層を作る伝統的な工程のことです。
砥の粉下地(とのこしたじ)とは、漆器・木工・金属工芸などの塗装工程において、「砥の粉(とのこ)」と呼ばれる研磨用の微細な土粉を生漆や糊などの接着剤と混ぜ合わせ、素地に塗り込んで下地層を形成する技法です。
砥の粉は、砥石(といし)を水で研いだ際に生じる粉末(主に珪藻土・泥岩系の微粉)を乾燥・精製したものです。きめが非常に細かく、素地の木目や凹凸を埋めて平滑な面を作るのに適しています。
砥の粉下地の一般的な工程は以下のように進みます。
- 木地や素地の表面を整え、埃や汚れを取り除く
- 砥の粉に生漆(または柿渋・膠など)を混ぜてペースト状にし、素地全体に塗り込む
- 乾燥させた後、耐水ペーパーや砥石で研ぎ平らにする
- この塗布と研磨を複数回繰り返して厚みと平滑さを出す
- 下地が完成したら本塗りに移る
砥の粉下地の役割は、表面の凹凸を埋めることによる平滑化・漆と素地の密着向上・塗膜の強度と肉厚の確保の三点にあります。輪島塗では「地の粉(じのこ)」という輪島産の砥の粉を用いた堅牢な下地が特に有名で、その丈夫さが輪島塗の品質を支えています。
使い方・例文
漆器の制作工房で職人が木地に何層も砥の粉下地を重ねて研ぎ出す作業は、完成品の表面の美しさと耐久性を左右する重要な工程として知られています。
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