異所的種分化とは?
いしょてきしゅぶんか
地理的に隔離された個体群が、互いに交流できない環境で独自に進化し、別の種へと分岐する現象です。
異所的種分化とは、同じ祖先を持つ生物集団が地理的な障壁によって分断され、それぞれが独立して進化を続けることで、最終的に別々の種として分化するプロセスを指します。地理的隔離が種分化の主要な推進力となる点が、この現象の本質です。
山脈の形成、海の拡大、河川の流路変化、氷河の発達などによって個体群が二分されると、それぞれの集団は独自の選択圧にさらされます。突然変異の蓄積、自然選択、遺伝的浮動といった進化的要因が別々に作用し続けることで、やがて双方の集団は交配能力を失うか、交配しても繁殖能力のある子孫を残せなくなります。この状態に達したとき、種分化が完成したとみなされます。
代表的な事例として、ダーウィンがガラパゴス諸島で観察したフィンチ類があります。南米大陸から移り住んだ共通祖先から、各島の環境に適応した14種以上の別種が誕生しました。同様に、グランドキャニオンを挟んで分断されたリスの仲間なども、異所的種分化の進行中の例として知られています。
異所的種分化は地球上の生物多様性を生み出す最も普遍的なメカニズムの一つであり、進化生物学・生物地理学の中心的テーマです。これに対し、地理的隔離なしに種分化が起こる「同所的種分化」も存在しますが、異所的種分化ほど広く認められているわけではありません。
使い方・例文
島嶼や山脈など、地理的に分断された環境における生物の多様化を説明する際に登場します。生物の分布域や系統解析の研究で頻繁に用いられる概念です。
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