同所的種分化とは?
どうしょてきしゅぶんか
同所的種分化とは、地理的な障壁がない同一地域内で、生態的・行動的な隔離を通じて新たな種が生じる種分化のメカニズムです。
種分化(新しい種の誕生)は、従来の教科書では地理的な隔離(異所的種分化)によって説明されることが多くありました。しかし同所的種分化(sympatric speciation)は、地理的な隔離なしに、同一の生息域内で集団が分断され新種が誕生するプロセスです。
同所的種分化が起こる主なメカニズムとして以下が挙げられます。
- 生態的分化:異なる食物資源や微小生息地への特殊化によって集団が分かれる
- 性選択・配偶者選好の分化:同一集団内で交配相手の好みが分かれ、繁殖隔離が生じる
- 多倍数化:植物で染色体が倍増し、元の種と交配不能になる(同所的に最も確実な種分化)
- 宿主転換:昆虫などが異なる宿主植物に特殊化し、宿主ごとに交配集団が分かれる
同所的種分化の有名な例として、アフリカのビクトリア湖に生息するシクリッドという魚の多様化が挙げられます。短期間で数百種に分化したとされ、その過程で同所的種分化が働いたと考えられています。
同所的種分化は異所的種分化に比べて立証が難しく、長らく議論の対象でしたが、遺伝子解析技術の進歩により証拠が蓄積されつつあります。進化生物学における種分化研究の重要なテーマです。
使い方・例文
同じ湖や森に生息する生物が地理的に分断されずに多種へと分化した事例を議論する際に、「同所的種分化の証拠があるか」という形で登場します。
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