溶血性尿毒症症候群とは?
ようけつせいにょうどくしょうこうぐん
溶血性尿毒症症候群(HUS)とは、溶血性貧血・血小板減少・急性腎不全の3徴候を特徴とする重篤な疾患で、小児に多く見られます。
溶血性尿毒症症候群(HUS:Hemolytic Uremic Syndrome)とは、微小血管内で血栓が形成されることで赤血球が機械的に破壊される「溶血性貧血」、血小板の消費による「血小板減少」、そして腎臓の微小血管の閉塞による「急性腎不全」の3つが同時に起こる症候群です。
最も多い原因は腸管出血性大腸菌(O157など)が産生するベロ毒素(志賀毒素)の感染です。O157による食中毒の経過中に、約数%が重篤なHUSへ移行すると言われており、特に5歳以下の小児や高齢者に多く見られます。O157以外にも肺炎球菌感染・薬剤・遺伝的要因によって発症する場合もあります。
臨床的な経過の特徴は以下の通りです。
- O157感染から5〜10日後に血性下痢が先行する
- 急激な顔面蒼白・元気消失・尿量減少で発症
- 血液検査で貧血・血小板減少・腎機能低下(クレアチニン上昇)を確認
- 重症例では透析が必要な腎不全・脳症・腸管壊死が起こる
治療は支持療法(輸液・透析)が中心で、O157感染に対する抗菌薬投与はHUへの移行リスクを高める可能性があるとして原則的に避けられます。近年、補体系の異常が関与する非典型HUSに対しては、エクリズマブ(補体阻害薬)が有効な治療法として用いられています。多くは回復しますが、慢性腎不全へ移行するケースもあるため、長期フォローアップが必要です。
使い方・例文
O157食中毒のニュースで「その後HUSを発症し入院」と報道される場合がよくあり、特に小児が集団感染した際に注目されます。
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