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湿板写真とは?

しつばんしゃしん

湿板写真とは、19世紀半ばに普及したガラス板やシートに感光液を塗って撮影する写真技法で、初期写真史を代表する手法の一つです。

湿板写真(しっぱんしゃしん)は、1851年にイギリス写真家フレデリック・スコット・アーチャーが考案した写真撮影技法です。コロジオン湿板法とも呼ばれ、ガラス板などの支持体にコロジオン(綿火薬をエーテルとアルコールに溶かしたもの)を塗布し、硝酸銀溶液に浸して感光させた後、まだ湿った状態のうちに撮影・現像を行う必要がありました。

湿板写真の工程には以下のような手順がありました。

  • ガラス板にコロジオンを塗布する
  • 硝酸銀溶液に浸して感光性を与える
  • 濡れたままの状態でカメラにセットして撮影する
  • 直ちにピロガロールなどで現像し定着させる

この手法はそれ以前のダゲレオタイプより安価で複製もしやすく、写真の大衆化に大きく貢献しました。一方で、撮影者は暗室や薬品一式を常に携帯する必要があり、野外撮影では移動式暗室を用いる場面も珍しくありませんでした。

湿板写真はアンブロタイプ(ガラス陽画)やティンタイプ(金属板陽画)などの派生技法を生み出し、1880年代に乾板が普及するまでの約30年間、写真の主流として用いられました。現代でも芸術的表現として湿板写真を実践する写真家が存在します。

使い方・例文

「南北戦争の記録写真の多くは湿板写真で撮影されており、当時の従軍カメラマンは重い暗室装置を戦場まで持ち込んでいました」といった形で、写真史や芸術・文化の文脈で登場します。

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