海洋性ウイルスとは?
かいようせいういるす
海洋性ウイルスとは、海洋に生息する微生物を宿主とするウイルスの総称で、海水1ミリリットルに数億個以上が存在し、海洋の物質循環や生態系に巨大な影響を及ぼします。
海洋性ウイルス(マリンウイルス)は、海洋環境に存在し主にバクテリア・古細菌・藻類・原生生物などの海洋微生物を宿主とするウイルスの総称です。海水1ミリリットルあたり数億〜数十億個という膨大な密度で存在し、地球上で最も個体数の多い生物学的実体の一つとされています。
海洋生態系への役割は多岐にわたります。ウイルスが宿主細菌を溶菌(溶解)すると細胞内の有機物・栄養塩が海水中に放出され(「ウイルスシャント」と呼ばれるプロセス)、これが溶存有機物のプールを維持し微生物ループを駆動します。この仕組みにより炭素・窒素・リンの循環が大きく促進されています。
種類と多様性については、バクテリアを宿主とするバクテリオファージが大多数を占めますが、真核藻類(クロレラウイルスなど)や原生生物を宿主とするものも知られています。近年のメタゲノム解析により、海洋ウイルスの遺伝子多様性は従来の想像をはるかに超えることが明らかになっており、多くの種はまだ培養・同定されていません。
気候変動との関係では、シアノバクテリアの個体数制御を通じて海洋の炭素固定量に影響を与えることから、地球規模の炭素循環・気候調節においても間接的な重要性が認識されています。
使い方・例文
海洋性ウイルスは海洋生態学・微生物海洋学の研究で中心的なテーマの一つであり、深海探査や地球規模の炭素循環モデルを論じる場面でも登場します。また、ファージ療法(抗生物質に代わる細菌感染症治療)の資源としても注目されています。
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