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比電荷とは?

ひでんか

比電荷とは、荷電粒子の電荷量をその質量で割った比の値で、粒子の運動を解析する際に用いられる量です。

比電荷(ひでんか)は、荷電粒子が持つ電荷量qをその質量mで割った値、すなわちe/m(または q/m)として定義される物理量です。単位はC/kg(クーロンキログラム)で表されます。

荷電粒子が磁場や電場の中を運動するとき、その軌跡や加速の様子は電荷と質量の両方依存します。比電荷を用いると、電荷と質量を別々に知らなくても、粒子が電磁場からどれほどの影響を受けるかを一つの数値で表せます。たとえば磁場中の円運動の半径は比電荷と磁束密度・速度の関数となるため、軌道の観測から比電荷を求めることができます。

電子の比電荷e/mは、1897年にJ.J.トムソンが陰極線管を使った実験で初めて測定しました。この実験により電子という粒子の存在が確認され、物理学の歴史における画期的な発見となりました。電子の比電荷の値は約1.76×10¹¹ C/kgで、陽子のそれ(約9.58×10⁷ C/kg)より約1840倍大きく、電子が陽子より非常に軽いことを示しています。

比電荷は質量分析計(マス・スペクトロメーター)や加速器の設計、プラズマ物理学など幅広い分野で重要な役割を果たしています。同じ比電荷を持つ粒子は同一の電磁場中で同じ軌道を描くため、粒子の識別や分離にも利用されます。

使い方・例文

質量分析計では、イオンを磁場中に打ち込み、その曲がり具合(軌道半径)から比電荷を測定することで、物質中の元素や分子の種類を特定します。

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