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橋掛かりとは?

はしがかり

橋掛かりとは、能楽の舞台において鏡の間と本舞台を結ぶ通路のことで、演者が登退場する際に使う独特の空間です。

橋掛かり(はしがかり)は、能楽堂に設けられた舞台構造の一部で、本舞台の左手(向かって右側)に斜めに延びる細長い通路のことです。鏡の間(演者が装束をつけ本番に備える控え室)と本舞台を結ぶ役割を果たしており、能楽特有の空間構成の中核をなしています。

橋掛かりの長さは演能場所によって異なりますが、正式な能楽堂では十数メートルに及ぶこともあります。床面には松の木目がある「橋板」が張られ、通路の脇には小さな松の木(一の松・二の松・三の松)が等間隔に置かれています。この松は能の舞台美術として空間に奥行きと象徴性を与えるとともに、演者の位置確認の目安にもなっています。

橋掛かりは単なる通路ではなく、演劇的に重要な演技空間でもあります。

  • 幽霊や霊的存在が登場する際、橋掛かりを「あの世から現れる道」として演出に活かすことがある
  • 足拍子を踏みながらゆっくりと進むことで緊張感や時間の流れを表現できる
  • ワキ(旅人)が最初に登場する場合も橋掛かりから入ることが多い

橋掛かりという概念は、現実と幻想、現世と異界を繋ぐ境界的空間としての象徴的意味を持ち、能楽の美学を体現する重要な要素の一つです。

使い方・例文

能の公演で、シテ(主役)が橋掛かりをゆっくりと歩きながら本舞台へ向かう場面は、観客を現実から幽玄の世界へと引き込む演出として機能しています。

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