核磁気モーメントとは?
かくじきもーめんと
核磁気モーメントとは、原子核が持つ磁石としての強さを表す物理量で、NMR(核磁気共鳴)やMRI装置の原理に深く関わっています。
核磁気モーメント(かくじきモーメント、英: nuclear magnetic moment)とは、原子核が帯びる磁気的な特性の強さと向きを表す物理量です。原子核の内部では陽子と中性子(核子)が「スピン」と呼ばれる量子力学的な自転に相当する角運動量を持っており、このスピンに伴って磁石のような性質(磁気双極子モーメント)が生じます。
核磁気モーメントの大きさは「核磁子(μN)」という単位で表され、電子の磁気モーメントの単位であるボーア磁子(μB)の約1/1836と非常に小さな値です。核磁気モーメントの大きさや符号は核種によって異なり、陽子は正の値、中性子は負の値を持ちます。スピンがゼロの核(すべての陽子・中性子がペアを組んでいる偶偶核)は核磁気モーメントもゼロです。
核磁気モーメントが重要な理由は次のとおりです。
- NMR(核磁気共鳴): 外部磁場中で核磁気モーメントが特定の周波数のラジオ波を吸収・放出する現象を利用した分析法。化学構造の解析に不可欠
- MRI(磁気共鳴画像法): 主に水素原子核のNMR信号を画像化した医療診断装置
- 核物理研究: 核子間力や核構造の研究において、核磁気モーメントの測定値が重要なデータを提供する
核磁気モーメントは素粒子物理学と医療技術の両面で欠かせない概念であり、現代の科学技術を支える基礎的な物理量です。
使い方・例文
病院でMRI検査を受けるとき、体内の水素原子核が持つ核磁気モーメントが強力な磁場の中でラジオ波に応答する現象を利用して、体の内部が断層画像として映し出されています。
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