柿右衛門様式とは?
かきえもんようしき
柿右衛門様式とは、17世紀後半に有田で確立された日本磁器の様式で、乳白色の素地に余白を活かした繊細な色絵が特徴です。
柿右衛門様式(かきえもんようしき)は、17世紀後半(江戸時代前期)に肥前・有田(現・佐賀県有田町)で酒井田柿右衛門家を中心に確立された磁器の装飾様式です。「濁手(にごしで)」と呼ばれる乳白色に近い素地に、赤・青・緑・黄・黒などの上絵の具で草花・鳥・昆虫などの自然モチーフを描くのが基本です。
最大の美的特徴は「余白の美」にあります。西洋磁器が器面を文様で埋め尽くす傾向があるのに対し、柿右衛門様式では器面の多くを白地のまま残し、非対称にモチーフを配置することで奥行きと緊張感を生み出します。代表的なモチーフは「ざくろ」「梅に鶯」「岩に竹虎」などで、いずれも日本の絵画美学を磁器の表現に昇華させたものです。
17〜18世紀にはオランダ東インド会社(VOC)を通じてヨーロッパへ大量に輸出され、マイセン(ドイツ)やデルフト(オランダ)など欧州の名窯が争って柿右衛門様式を模倣しました。その影響は欧州磁器の発展に欠かせないものでした。
現在も14代・15代の酒井田柿右衛門がその技術と様式を継承しており、2013年にはユネスコ無形文化遺産「有田焼」の重要な構成要素として国際的に認知されています。
使い方・例文
美術館の展示や茶道具の収集で、乳白色の素地に余白を大きく取って色絵が描かれた磁器が紹介される際、柿右衛門様式という名称が使われます。
この用語をシェア
最終更新: