心の理論とは?
こころのりろん
心の理論とは、他者が自分とは異なる信念・意図・感情を持つことを理解し、その心の状態を推測する認知能力のことです。
心の理論(こころのりろん、Theory of Mind: ToM)は、他者が自分とは独立した信念・意図・欲求・感情を持つことを理解し、それを推測・予測する認知能力です。「他者の心を読む」能力とも言われ、社会的なコミュニケーションや協力行動の基盤となります。
この概念は1978年に霊長類研究者のプレマックとウッドラフが提唱し、その後発達心理学・認知科学・神経科学の中心的テーマとなりました。子どもの発達においては、一般に4〜5歳頃に心の理論が成立するとされています。
心の理論の有無を調べる古典的な課題として誤信念課題(サリー・アン課題)があります。AがBの見ていないところで物を移動させた場合、Bはどこを探すかを問うことで、子どもが「他者は自分と異なる(誤った)信念を持てる」と理解しているかを調べます。
心の理論が発達に遅れや困難を持つ場合、社会的コミュニケーションに支障が生じます。自閉スペクトラム症(ASD)の研究において、心の理論の困難さが社会的相互作用の特性を説明する要因の一つとして注目されてきました。
近年は神経科学の視点から、心の理論に関与する脳領域(前頭前野・側頭頭頂接合部など)の研究も進んでいます。また、サルや類人猿における原始的な心の理論の存在も議論されています。
使い方・例文
「相手がなぜそう思ったのか」を想像して行動を調整する日常の対人場面や、自閉スペクトラム症の特性を説明する文脈で「心の理論」という言葉が登場します。
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