基底膜とは?
きていまく
基底膜とは、上皮細胞や筋細胞などの底部に存在する薄いシート状の細胞外構造物のことです。
基底膜(きていまく)は、上皮組織・筋組織・神経組織などの細胞層の直下に位置する、厚さ約50〜100ナノメートルの薄い膜状構造です。細胞自体ではなく細胞外基質が特殊に組織化されたもので、組織の構造的支持と機能的境界の形成に欠かせません。
主要な構成成分は次のとおりです。
- IV型コラーゲン:網目状の骨格を形成する主要タンパク質
- ラミニン:細胞接着・細胞分化を促す糖タンパク質
- ニドゲン(エンタクチン):コラーゲンとラミニンをつなぐリンカータンパク質
- パールカン:ヘパラン硫酸プロテオグリカンで物質透過の調節に関与
基底膜の機能は多岐にわたります。まず上皮細胞の足場として極性(上下の方向性)の維持を助け、細胞の増殖・分化のシグナルを調節します。また腎臓の糸球体基底膜では、血液からの老廃物ろ過の分子ふるいとして働きます。さらにがんの浸潤・転移においても、腫瘍細胞が基底膜を分解して突き破ることが初期ステップとなります。基底膜の異常は腎臓病(アルポート症候群など)や皮膚疾患の原因となります。
使い方・例文
病理学の授業で「がんが浸潤性か非浸潤性かを判定するには基底膜の破壊の有無を確認する」と説明される文脈で登場します。また腎糸球体のろ過機能を説明する際にも中心的なキーワードです。
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