地形性降雨とは?
ちけいせいこうう
地形性降雨とは、湿った空気が山などの地形に沿って強制的に上昇し、冷却されることで生じる雨のことです。
地形性降雨(ちけいせいこうう)とは、湿った空気の塊が山岳や丘陵などの地形の障壁にぶつかって強制的に上昇させられ、断熱冷却によって雲が発達し雨が降る現象です。「地形性雨」や「orographic rain(オログラフィックレイン)」とも呼ばれます。
仕組みを順番に整理すると、以下の流れになります。
- 海などから水分を多く含んだ空気が風上側の斜面に当たる。
- 空気は斜面に沿って上昇し、高度が上がるにつれて気圧が下がって断熱膨張し温度が下降する。
- 露点以下に冷えると水蒸気が凝結して雲が形成され、雨や雪となって風上側斜面に降る。
- 山を越えた空気は下降して圧縮・昇温するため、風下側は「フェーン現象」と呼ばれる乾燥した高温の風が生じる。
日本では、太平洋から季節風が吹き込む際に紀伊山地・四国山地・中央アルプスなどが障壁となり、これらの風上側(南東側)に多雨地帯が形成される典型的な例が見られます。尾鷲市(三重県)が日本有数の多雨地点であるのも地形性降雨の影響が大きいとされています。一方、世界でみると、インドのチェラプンジやハワイのカウアイ島など、山の風上斜面に世界的な多雨記録が集中するのも同じ原理によるものです。
地形性降雨は、ダム貯水量の予測や洪水・土砂災害のリスク評価、農業用水の計画など、地域の気候管理において重要な概念です。
使い方・例文
「紀伊半島の南岸は地形性降雨の影響を受けやすく、台風接近時には短時間で500ミリを超える雨量が記録されることがある」のように気象・防災の解説で使われます。
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