出版バイアスとは?
しゅっぱんばいあす
出版バイアスとは、統計的に有意な結果や肯定的な結果を示す研究が優先的に出版される傾向によって生じる系統的なゆがみです。
出版バイアス(publication bias)は、研究の出版可能性が結果の方向性や統計的有意性に左右されることで生じる系統的な偏りです。「有意差あり」「効果あり」という結果は論文として受理されやすく、「差なし」「効果なし」という結果はファイルドロア問題(引き出しの中に眠ってしまう)として公表されないまま終わりやすいという構造的問題です。
出版バイアスがもたらす影響には以下があります。
- メタ分析・系統的レビューの効果量の過大推定
- 治療法の有効性に関する誤った合意の形成
- 不必要な研究の重複や、資源の非効率な配分
- 患者や政策立案者の意思決定への悪影響
検出・対策の方法として、ファンネルプロット(漏斗図)による非対称性の視覚的確認、Eggerのテスト、トリムアンドフィル法、事前登録(preregistration)などが活用されています。近年の再現性危機(replication crisis)の文脈でも出版バイアスは重要な問題として議論されており、オープンサイエンスや登録報告(registered report)という仕組みがその解消策として注目されています。
使い方・例文
ある新薬の臨床試験が10件実施されたとき、効果があった3件は論文化されたが効果がなかった7件は未発表のまま埋もれた場合、メタ分析では効果が過大評価されてしまいます。このような状況を指して出版バイアスと呼びます。
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