写本とは?
しゃほん
写本とは、印刷技術が普及する以前に、人の手で書き写して作られた文書や書物のことです。
写本(しゃほん)とは、文字どおり手で書き写した本・文書のことを指します。印刷術が発明・普及する以前の時代において、書物を複製する唯一の方法は人の手による書き写しでした。そのため写本は、古代から中世にかけての知識・宗教・文学・法律などあらゆる分野の情報を後世に伝える重要な手段でした。
東アジアでは経典や漢籍、和歌集・物語などが僧侶や貴族の手で写本として伝えられました。源氏物語や万葉集も、現存する最古のテキストは写本です。ヨーロッパでは中世の修道院が写本制作の中心地となり、修道士たちが羊皮紙に聖書や古典を書き写しました。イスラム世界でも哲学・医学・天文学の知識がアラビア語写本として保存・伝播されました。
写本には次のような特徴があります。
- 書写者の誤字・脱字・解釈による異同が生じやすい
- 装飾写本(彩飾写本)など芸術的価値を持つものも多い
- 使用された材料(パピルス・羊皮紙・和紙など)が時代や地域によって異なる
- 同一作品に複数の写本が存在し、本文の校合が必要になる
現代では写本の研究は文献学・書誌学の重要な分野であり、デジタル化によって世界中の写本がオンラインで閲覧できるようになっています。
使い方・例文
「平家物語の最古の写本を国立図書館で調査する」のように、原典の書き写しを指して使います。
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