二光子吸収とは?
にこうしきゅうしゅう
二光子吸収とは、物質が2つの光子を同時に吸収してエネルギー準位を遷移する非線形光学現象のことです。
二光子吸収(two-photon absorption、TPA)とは、物質が2つの光子を同時に(または非常に短い時間内に)吸収し、1つの光子では不可能なエネルギー準位への遷移を起こす非線形光学現象です。1931年にドイツの物理学者マリア・ゲッパート=マイヤーによって理論的に予言され、レーザーの実用化後に実験的に確認されました。
通常の(一光子)吸収では、光子のエネルギーが遷移エネルギーと一致する場合にのみ吸収が起こります。これに対し二光子吸収では、それぞれエネルギーが半分の2つの光子を同時に吸収することで等価の遷移が生じます。この過程は確率が非常に低いため、高強度のパルスレーザー(特にフェムト秒レーザー)を使わなければ観測できません。
二光子吸収には以下のような重要な特徴と応用があります。
- 空間分解能の向上:光の強度の2乗に比例する吸収確率のため、焦点付近だけで反応が起こり、超高精度な3D加工・描画が可能
- 二光子励起顕微鏡(TPEM):生体試料の深部を高解像度でイメージングする医学・生物学への応用
- 光ストレージ:3次元の光データ記録媒体への応用研究
- フォトダイナミック療法:がん治療における光感受性物質の選択的活性化
二光子吸収は、量子光学・バイオイメージング・ナノ加工など幅広い先端分野で活用される現代光科学の重要な概念です。
使い方・例文
脳科学の研究では、二光子励起顕微鏡を使うことで近赤外レーザーを頭蓋骨の下の神経細胞まで届かせ、生きたままの動物の脳内のニューロンの活動を観察することが可能になっています。
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