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ヴォイスとは?

う゛ぉいす

ヴォイスとは、文学物語論において語り手や登場人物の「声」の性質・位置づけを指す概念で、物語がどの視点から語られるかを分析する際に用いられます。

ヴォイス(voice)とは、文学理論・物語論ナラトロジー)において、物語の「誰が語るか」という問題を扱う概念です。フランスの物語論家ジェラール・ジュネットが『物語のディスクール』で体系化し、焦点化(フォーカリゼーション=誰が見るか)と区別して「誰が語るか」を指す術語として定着しました。

ヴォイスを分析する際の主な観点は次のとおりです。

  • 語り手の位置:物語世界の内側にいる内部語り手(ホモダイエゲティック)か、外部の語り手(ヘテロダイエゲティック)か
  • 語りの時制:出来事の後に語る事後的語りか、同時進行的語りか
  • 語り手の信頼性:信頼できる語り手か、意図的に偏った語りをする信頼できない語り手か

また文体論・修辞学の文脈では、作家独自の文体的特徴や個性を「ヴォイス」と呼ぶこともあります。この場合は「作家の声」として、文章のリズム・語彙選択・語り口に現れる個性を指します。

物語分析においてヴォイスを意識することで、同じ出来事でも語る主体が変わると読者の受け取り方がどう変わるかを精密に論じることができます。

使い方・例文

夏目漱石の『こころ』では「先生」の遺書という形式をとることで、物語に特有の告白的ヴォイスが生まれ、読者は先生の内面に直接触れるような感覚を得ます。

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