ヴェルデグリスとは?
ゔぇるでぐりす
ヴェルデグリスとは、銅や真鍮が酸と反応して生じる青緑色の塩基性酢酸銅で、中世ヨーロッパ絵画に用いられた最も鮮やかな緑色顔料のひとつです。
ヴェルデグリス(verdigris)は、銅板や真鍮を酢(酢酸)に長期間さらすことで生成される塩基性酢酸銅を主体とした青緑色の顔料・物質です。名称はフランス語の「vert de Grèce(ギリシャの緑)」に由来するとされており、古代ギリシャやローマ時代から知られていました。
ヴェルデグリスの製法は歴史的に次のような方法が用いられていました。
- 銅板を酢の蒸気にさらして表面に青緑色の錆を析出させる
- 生成した結晶を削り取り、顔料として精製する
- 油や樹脂メディウムに溶かして絵具として使用する
中世から初期ルネサンスにかけての西洋絵画では入手できる緑色顔料が少なく、ヴェルデグリスは非常に重宝されました。しかしながら、時間経過とともに変色・褪色しやすく、特に他の顔料(鉛白など)と混合すると化学反応で黒ずむ欠点があります。このため、17世紀以降は緑青を含む顔料や合成顔料に置き換えられていきました。美術史の分野では、古い絵画の修復や顔料分析においてヴェルデグリスの検出が作品の年代・産地の手がかりとなります。
使い方・例文
中世の写本の挿絵や初期ルネサンスの板絵を科学分析すると、風景や植物の緑色部分にヴェルデグリスが使われている例が多く確認されており、経年変化による褐色化が修復の課題となっています。
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