モルヒネとは?
もるひね
モルヒネとは、ケシの植物から得られるオピオイド系鎮痛薬で、強力な鎮痛・鎮静作用を持ち、主にがん性疼痛など重篤な疼痛管理に用いられます。
モルヒネとは、ケシ(Papaver somniferum)の乳液(アヘン)に含まれるアルカロイドで、オピオイド受容体に作用する強力な鎮痛薬です。1804年にドイツの薬剤師フリードリヒ・ゼルテュルナーによって初めて単離され、ギリシャ神話の夢の神モルペウスにちなんで命名されました。
モルヒネは脳や脊髄のμ(ミュー)オピオイド受容体に結合し、痛みシグナルの伝達を抑制するとともに、幸福感(多幸感)をもたらします。主な薬理作用として、鎮痛・鎮静・呼吸抑制・咳嗽抑制・消化管運動の抑制(便秘)などがあります。
モルヒネの主な臨床用途と注意点は以下の通りです。
- がん性疼痛の緩和ケア(緩和医療の中心的薬剤)
- 術後疼痛・重傷の急性疼痛管理
- 重篤な呼吸困難の緩和
- 副作用:便秘・悪心・眠気・呼吸抑制(過量時)
- 依存性・耐性の形成リスクがあるため、医師の管理下での使用が必須
日本では麻薬及び向精神薬取締法により厳格に規制されていますが、医療目的での使用は法律で認められており、WHO疼痛ラダー(がん疼痛の3段階治療指針)の第3段階に位置づけられる基本薬です。適切に使用すれば患者の生活の質(QOL)を大幅に改善できる薬剤として、緩和ケアに欠かせない存在です。
使い方・例文
末期がん患者の強い痛みに対して、モルヒネを定期的・定量的に投与することで疼痛をコントロールし、患者が比較的楽に過ごせるよう緩和ケアの現場で使用されます。
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