マスアクションの法則とは?
ますあくしょんのほうそく
「法則」の用語まとめを見るマスアクションの法則とは、化学反応の速度が反応物の濃度の積に比例するという化学の基本法則で、19世紀にグルベルクとワーゲによって提唱されました。
マスアクションの法則(質量作用の法則)は、1864年にノルウェーの化学者カート・グルベルク(Cato Guldberg)とペーター・ワーゲ(Peter Waage)が提唱した化学反応速度に関する経験則です。「反応速度は、反応に関与する各物質の濃度の積に比例する」というのが基本的な主張です。
たとえば、化学反応 A + B → C があるとき、反応速度 v は次のように表せます。
v = k[A][B](k は速度定数、[ ] は濃度を表す)。反応物の係数が2の場合(2A → 生成物)は v = k[A]² のように濃度の2乗に比例します。
この法則は化学平衡の概念とも深く結びついています。可逆反応において正反応と逆反応の速度が等しくなった状態(平衡状態)では、反応物と生成物の濃度比が一定値(平衡定数 K)に収束します。これを「平衡定数の式」と呼び、マスアクションの法則から導かれます。
マスアクションの法則が適用される主な分野は以下のとおりです。
- 化学反応速度論:反応速度式の構築と反応機構の解析
- 化学平衡:ルシャトリエの原理と平衡移動の予測
- 生化学・酵素反応:ミカエリス・メンテン式の基礎
- 薬理学:薬物と受容体の結合モデル
ただし、この法則は素反応(一段階で進む反応)に厳密に適用されるものであり、複数段階を経る反応では全体の速度式が変わることに注意が必要です。
使い方・例文
食塩水の濃度を上げると溶解・析出の平衡が変化したり、酵素反応において基質濃度を高めると反応速度が上がったりする現象は、いずれもマスアクションの法則が背景にあります。
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