本文へスキップ

ホウネンエビとは?

ほうねんえび

ホウネンエビとは、田んぼや水田に春先から夏にかけて発生する、半透明の小さな甲殻類です。

ホウネンエビBranchinella kugenumaensis)は、鰓脚綱(えらあしこう)ホウネンエビ目に属する淡水性の甲殻類で、日本各地の水田や浅い池に生息します。名前の「豊年」は、大量発生が豊作の兆しとされた農村の言い伝えに由来します。

体長は2〜3センチメートルほどで、透明感のある薄赤色または無色の細長い体に多数の付属肢(えら脚)が並んでいます。これらのえら脚をリズミカルに動かしながら逆さまになって泳ぐ独特のスタイルが特徴です。水中の藻類・バクテリア・有機物などを濾過して食べます。

ホウネンエビは乾燥に強い休眠卵(耐久卵)を産み、田んぼが干上がった冬の間も土中で生き延びます。春に水田に水が張られると卵が孵化し、数週間で成体に育って再び卵を産みます。このサイクルが一年草的な生活史をとるため、年によって発生量が大きく異なります。

近年は農薬や圃場整備による生息地の減少で個体数が減り、環境省のレッドリストでは準絶滅危惧(NT)に指定されています。水田の生物多様性指標としても注目されており、自然農法や減農薬農業の現場でよく観察されます。

使い方・例文

田植えの季節に水が張られた田んぼをのぞくと、半透明の小さな生き物がひっくり返って泳いでいるのがホウネンエビです。自然観察会や学校の理科の課外活動でも取り上げられます。

この用語をシェア

𝕏 でポスト LINE

最終更新:

関連用語