ベントとは?
べんと
ベントとは、原子力発電所などで内部の圧力を下げるために気体を外部に放出する操作のことです。
ベントとは、英語の「vent(通気・排気)」に由来する言葉で、密閉された容器や設備の内部圧力が過剰に高まったとき、気体を意図的に外部へ逃がす操作のことをいいます。くらしの文脈では、主に原子力発電所における安全操作として知られるようになりました。
原子力発電所では、炉心を冷却できなくなると内部で水蒸気や水素が発生し、格納容器内の圧力が急上昇します。そのまま放置すると格納容器が破損するリスクがあるため、意図的に弁を開いて気体を外部へ放出し、容器の損傷を防ぐ操作が「ベント」です。この際、放射性物質を含む気体が外部に漏れ出す可能性があるため、住民への避難指示と合わせて実施されることが多く、社会的にも大きな注目を集めます。
ベントには主に以下の種類があります。
- ドライウェルベント:格納容器の上部から気体を抜く方法
- ウェットウェルベント:気体を水中に通してから排気し、放射性物質を水でろ過する方法
- フィルタードベント:特殊なフィルターを通して放射性物質を除去してから放出する方法
2011年の東京電力福島第一原子力発電所事故でベントが実施されたことで、一般にも広く知られる用語となりました。現在では安全性向上の観点から、フィルタードベント設備の設置が各国で義務づけられる方向に進んでいます。
使い方・例文
原子炉の冷却機能が失われた際に、格納容器の圧力を下げるためにベントを実施し、蒸気を外部へ放出した。
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