ベルカントとは?
べるかんと
ベルカントとは、イタリア語で「美しい歌」を意味し、17〜19世紀に発展したイタリア・オペラの伝統的な声楽技法・美的理想のことです。
ベルカント(bel canto)はイタリア語で「美しい歌声」を意味し、17世紀から19世紀にかけてイタリアを中心に発展した声楽の技法と美的理念の総称です。音楽史においてはバロック期から古典派・ロマン派初期にかけてのイタリア・オペラの様式を指すことが多く、ロッシーニ・ドニゼッティ・ベッリーニの三大作曲家が代表とされます。
ベルカントの理想とする美的基準として以下が挙げられます。
- 声の均一性:声域全体にわたって音色が均質で美しく響くこと
- レガート:音と音を滑らかに繋げる歌い方
- アジリタ:装飾音符や速いパッセージを正確かつ軽やかに歌う技巧
- トリッロ(トリル):隣接する2音を素早く交互に繰り返す装飾技法
ベルカント様式では、大きな音量よりも声の美しさ・柔軟性・技巧的な表現を最重視します。このため声楽家は長年にわたる訓練で声帯の柔軟性を高め、声区(チェスト・ヘッド)の均一なつながりを習得します。
20世紀にはマリア・カラスがベルカントの美学を復興させ、その後もチェチーリア・バルトーリなど多くの声楽家が伝統を継承しています。現代の声楽教育においても、ベルカントの技法は発声の基礎として広く重視されています。
使い方・例文
ドニゼッティ作曲のオペラ「ランメルモールのルチア」でソプラノが長大な装飾音を駆使しながら流麗に歌うシーンや、ロッシーニのアリアで超高速のコロラトゥーラ(音符の連続)を優雅に歌う場面がベルカントの典型です。
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