フィッシャー・トロプシュ合成とは?
ふぃっしゃー・とろぷしゅごうせい
石炭や天然ガスを原料とした一酸化炭素と水素のガスから、触媒を使って液体の炭化水素燃料を合成する化学プロセスです。
フィッシャー・トロプシュ合成(Fischer-Tropsch synthesis、FT合成)は、一酸化炭素(CO)と水素(H₂)の混合ガス(合成ガス)を鉄やコバルトなどの金属触媒の存在下で反応させ、軽油・灯油・ワックスなどの液体炭化水素を生成する化学プロセスです。1920年代にドイツのフランツ・フィッシャーとハンス・トロプシュが開発しました。
原料となる合成ガスは、石炭・天然ガス・バイオマスなどの炭素含有物質を高温でガス化(改質)することで得られます。反応条件(温度・圧力・触媒の種類)によって生成物の組成を調整でき、ガソリン・ジェット燃料・軽油といった各種燃料のほか、潤滑油の原料となるワックスも得られます。
FT合成が注目される主な場面は以下の通りです。
- 石油代替燃料:石油資源に乏しい国が国内の石炭や天然ガスから燃料を自給する手段として活用(南アフリカのSASCOLが代表例)
- GTL(ガス・トゥ・リキッド)技術:遠隔地の天然ガスを輸送しやすい液体燃料に変換
- BTL(バイオマス・トゥ・リキッド):農業廃棄物などを原料にしたカーボンニュートラル燃料の製造
硫黄分がほぼゼロという高品質な燃料が得られる一方、設備コストやエネルギー効率の課題もあり、石油価格や再生可能エネルギーの動向と競合する技術です。
使い方・例文
石油の輸入が難しかった時代の南アフリカでは、国内の石炭を原料にFT合成で軽油やガソリンを製造し、自動車燃料の大部分をまかなっていました。
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