ピカレスクとは?
ぴかれすく
ピカレスクとは、社会の底辺に生きる悪漢や詐欺師を主人公にした物語のジャンルで、その主人公の波乱万丈な冒険を通じて社会を風刺するものです。
ピカレスク(picaresque)とは、スペイン語で「悪漢」「ならず者」を意味する「ピカロ(pícaro)」に由来する文学ジャンルです。社会の下層に生きる機知に富んだ主人公が、さまざまな冒険・詐欺・放浪を経験しながら成長する物語の形式を指します。
ピカレスク小説の起源は16世紀スペインに求められ、1554年に刊行された匿名作品『ラサリーリョ・デ・トルメスの生涯』が嚆矢とされています。その後ケベードの『大悪党(ブスコン)』やセルバンテスの作品にも影響を与え、ヨーロッパ全土に広まりました。
ピカレスクの特徴的な要素は以下の通りです。
- 卑しい身分の出自を持つ主人公(ピカロ)
- さまざまな主人・職業を渡り歩く放浪の旅
- 社会の偽善・腐敗・身分制度への風刺と批判
- 一人称の自伝的語りによるリアリズム
- ユーモアと皮肉を交えた語り口
18世紀以降もダニエル・デフォーの『モル・フランダーズ』、ヘンリー・フィールディングの『トム・ジョーンズ』など、ピカレスク的要素を持つ作品が多く書かれました。現代では映画・マンガ・ゲームにも「ピカレスクもの」という表現が使われ、悪役や犯罪者を主人公とした物語全般を指す言葉として定着しています。
使い方・例文
「この映画はピカレスク的な構成で、詐欺師の主人公が次々と騙されながらも逞しく生き抜く様子が描かれている」のように使われます。
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