本文へスキップ

バナッハ=タルスキーのパラドックスとは?

ばなっはたるすきーのぱらどっくす

「パラドックス」の用語まとめを見る

バナッハタルスキーのパラドックスは、数学的に1つの球体を分割・再合成することで同じ大きさの球体を2つ作れると主張する、直観に反する定理です。

バナッハタルスキーのパラドックスとは、20世紀数学ステファン・バナッハアルフレート・タルスキーが提唱した定理で、「1つの三次元の球体を有限個の部分に分解し、それらを移動・回転だけを用いて再構成すると、元と同じ大きさの球体を2つ作ることができる」というものです。

これが「パラドックス」と呼ばれる理由は、私たちの物理的な直観に真っ向から反するからです。日常感覚では、体積を変えずに物体を2倍にすることなど不可能です。しかし数学的には、「選択公理」と呼ばれる集合論の公理を認めると、測度(体積を一般化した概念)を持たない非常に奇妙な部分集合を用いることで、この操作が論理的に矛盾なく成立することが示せます。

重要なのは、これが純粋に数学的・抽象的な結論であり、現実の物理では実現不可能な点です。分解に使われる「部品」は通常の意味での連続した塊ではなく、測度論的に扱いにくい極めて複雑な点の集合です。このパラドックスは選択公理の採用に伴う帰結の一例として、数学の基礎論において重要な議論の的となってきました。現実との乖離を通じて、数学的抽象と物理的直観の違いを鮮明に示す好例として広く引用されています。

使い方・例文

数学の講義でバナッハ=タルスキーのパラドックスが紹介され、学生たちは選択公理がいかに強力な仮定かを実感した。

この用語をシェア

𝕏 でポスト LINE

最終更新:

関連用語